興味深い動画でしたので紹介します。
ざっくりした内容です。リッツカールトンの駐車場係の日給は150ドルで、彼はは1日に約100台の車を案内します。リッツカールトンの駐車料金は30ドルで1日の売り上げは3,000ドルです。係員は「3,000-150=2,850、リッツカールトンは2850ドルも持っていく。とても不公平なシステムだ」と考えます。ですが、リッツカールトンは資本家で係員は労働者です。ここに大きな違いがあります。資本家はアイデアを持っていて、アイデアが無ければ何も始まりません。さらに資本家はビジネスを拡大します。高級ホテル・リッツカールトンだから駐車料金が30ドルも採れるが、係員が駐車場を始めても0.5ドルしか採れないだろう。誰かがアイデアを出し、誰かが資本を投じ、誰かが実行したが、これは駐車場係員が行ったことではない。30ドルの価値があるのは駐車場係員が理由ではなく、そこがリゾート地だから。
ホテル・リッツカールトンはリスクも背負っています。資本家が報酬を受け取るのは最後で、売り上げが少ないから労働者に対して給料が払えないはできない。労働者は労働の対価に安定した給料が保証されるが、起業化は何も得られないかもしれないし、お金を失うかもしれない。資本家はリスクを背負っている
操り人形な農業
誰がリスクをとり、誰がアイデアを生み出したかが重要なポイントです、さて、この話を聞いて農業はどうでしょうか。今の農産物の供給システムは「生産者」→「JA」→「卸売市場」→「業者」→「スーパー」→「消費者」が主流です。この中で誰が一番リスクを背負っているでしょうか?それはスーパーです。売れないリスクを一番背負っているのはスーパーで、消費者の動向は不確定要素が多いからです。例えばニュースで農薬基準越えの白菜が流通していた、というネガティブな情報が流れれば白菜の購買意欲が下がります。売れ残れば赤字です。この売れ残るリスクを一番背負っているのがスーパーです
また、スーパーは集客するアイデアを持っています。ドン・キホーテはどうすればマックスバリューより集客できるか考え、マックスバリューもまたしかりです。リスクとアイデアを持っているのがスーパーで彼らが一番儲かるのは必然です。
この事実に対して生産者がスーパーに対して儲かりすぎだと異議を唱えるのはお門違いです。JAに出荷している生産者は売れ残るリスクを背負っておらず、集客するアイデアも持っていません。ではJAに出荷する生産者の立ち位置はどこでしょうか?労働者にとても近い起業家です。
生産者のリスクは作物を収穫するまでに時間がかかること、そして自然災害により収穫ができなくなることがあります。この部分は起業家と変わりないですが、売るアイデアを持っていません。正確にはJAまたは直売所に出すぐらいの考えしかありません。ホテル・リッツカールトンの駐車場だから30ドルを支払う価値があり、誰が駐車場を誘導しようと関係ありません。ドン・キホーテだから200円を支払う価値がある野菜になり、誰がどこで栽培したかは重要ではないです。生産者を形容するならリスクだけを背負わされた労働者であり、価値を創造する起業家ではありません。
こうなる原因はいくつもありますがその一例が岐阜県の方針です。新しく農業を始めたいと思う人を囲い込みます。そしてあなたは経営者だから安定した売り上げを目指すべき。一番(低く)安定するのはJAだからJAに出荷しましょう!
もちろん(低く)とは言いませんが、とにかくJAに卸させようとします。JAの出荷量(市場出荷量)が増えることが彼らの評価につながるからです。生産者が儲けるかどうかではなく、とにかく市場出荷を増やしたい!そんな思惑で動いています。私はそんな思惑をガン無視して活動しているのでどうやら嫌われているみたいです。ただ私は本当においしいイチゴをあなたへ届けたい、中山間地域は素晴らしい場所だ!ということを伝えたくて活動しているので岐阜県の意向なんてどうでもいいです。
さて、話をもとに戻します。生産者が起業家になるためには売るリスクを背負って、売るアイデアが必要です。売るためのアイデアはニッチな作物を作る、栽培できなかった作物を栽培できる技術を開発する、販売店へ営業を直接かけてみる、クラウドファンディング、YouTube、TikTok etc…。諸事情で今こここで私は「これやります!」とは言えませんが、いずれみなさんにお伝えしますので応援して頂ければ嬉しいです!
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