今回のブログはナスの生育初期段階に発生した青枯れ病の反省と、来年どうするか。という内容です。
ナスの木が枯れました
今日は6/26日(日)です。これまでに筑陽ナスが8本、米ナス、緑ナス、ふわトロ(丸)が全滅、長ナスが2本枯れ、合計で15本ぐらい枯れました。(ナスの品種について)青枯れ病という病気だと思われます。青枯れ病は土壌伝染する病害で、罹患したら葉は緑を保っていますが水分が無く萎れ、最終的には枯れてしまう病気です。現在は接ぎ木をして耐病性を高めることが有効な手段とされています。細菌を接種して病害を防ぐ考え方もあります小川ら(2011)年の研究では非病原性の細菌を用いて青枯れ病の発病抑制効果が検討されました。現在でもこの研究は続いていると思われます。
動画でも話しましたがショックは受けたが、誘引で折った時よりもショックは小さいです。青枯れ病は自分の力で防ぐことが非常に困難です。ナスの根が伸びた先に病原菌のコロニー(細菌の集まり)があれば感染します。人が土壌に対して何かできるのは約20cmで、病原菌はそれよりも深い場所で生息が可能です。ナスの根は条件がよければ1m以上伸び、病気に感染するリスクは根が伸びるほど高まっていきます。確率の問題なので青枯れ病になってもそれほどショックではありません
来年どうするか
運の悪さを嘆くよりも来年どうするか考える方が建設的です。対策は大きく分けて2つになります。1つは土壌消毒の方法。もう一つは生物資材を用いた方法です。
土壌消毒
土壌消毒は文字のごとく、土壌中の消毒して細菌などの微生物群を皆殺しにしようという考えです。土壌消毒もいろいろな方法がありますが、今回は2つ紹介します。1つは農薬を使う方法です。農薬の代表格は「ガスタード」です。水分と反応して活性ガスとなり広範囲の土壌病害、雑草種子の防除に高い効果をしめします(クミアイ化学工業株式会社)。
もう一つの方法は私が大好きなカラシナを使う方法です。辛味成分が同様の効果を発揮します。
これらの効果は土壌の表層から20cmが限界です。先述したように人が手を加えられる範囲でしかありません。根が1m以上伸びるナスにとって完全な対抗策ではありません。またカラシナは生育しないと効果が発揮されません。栽培できないと20cmでも効果を示せません。
生物資材
生物資材とは一体どのようなものでしょうか。細菌類を使用して病害を防ぐ考えをもとに、有用な細菌を資材中に固定したものです。冒頭で述べたような考えがそれにあたります。細菌によって病害の抑制の方法に違いがありますが、「拮抗性」が主な方法です。拮抗性は有用菌が病原菌の増殖を抑える効果です。イメージとしては病原菌が土壌中へそれ以上広がらない感じです。
来年はどうするか
圃場を変えてみます。これは連作障害を防ぐ方法の一つで慣行的に行われています。さらにダメもとでカラシナを栽培してみようと考えています。うまくいけば御の字程度にしておきましょう。
生物資材を投与したいです。ナスの青枯れ病に対する生物資材をネットで探してもなかなか検索されません。それよりもトマトの生物資材の方が検索されやすいです。トマトはナス科ですので、同じ科であるナスもトマトの生物資材を施用しても同様の効果があると推測します。よさそうな生物資材を投与します。
———–参考文献———-
小川晃一郎 森太郎 松崎弘美 松添直隆(2011):非病原性Relstonia solanacearumによるナス青枯病発病抑制効果 園芸学研究10(4),581-587